アスカへのクソデカ感情

 

エヴァンゲリオンの話し

 


シンジくん、アスカが特別好きで、あとはミサトさんも好き。ミサトさんは 大人になるに連れて大体の人が忘れて行かざるを得ない何かをまだずっと大事に持ち続けているように思えて安心する。この人はまだ心のどこかにセーラームーンがいて、自分のヒーローに従って生きているんだろな、みたいな。その 闇とヒーローが同居出来ている感じがすごく好き。出来ないのがアスカ

 

 アスカへのクソデカ感情  


彼女は自分で自分を褒められるような結果を出せないと、誰に何言われようと 自分に価値を見出せずにどこまでも落ちていってしまう。プロフェッショナルである為に、褒めてあげられる自分でいる為に、気持ちを左右する人間との関わりを諦め 心を閉ざさずに居られなかった。

アスカは新劇場版になってよくゲームしているけど、どこかつまらなそうだった。何かに夢中になることで 心の苦しみを忘れようとしていたのかもしれない、それが何の救いにもならないことも彼女はきっと分かっている。悩んでいる時は何か作業に集中するといいと言うけど、実際あまり解決にはならない

だけど 破で料理に夢中になっている時はどこか楽しそうだった。おたま持って味つけにウーーンと悩んだり、人に見られるのを恥ずかしがったり。ゲームも料理も 同じ彼女1人での作業シーンだけど、その違いは一体なんだろうと考えたとき、結局は人が大いに関わって来る気がする。本当は人と関わることはうれしい、人のために料理をする、頑張ればきっとうれしい未来が待っていると期待が出来る、だから1人で楽しく頑張れる。1人でゲームをしている時と違う。他者との関わりに期待を持ち 楽しく頑張れていることでどこか既に満たされていたから、食事会と日程が被ってしまったテストを綾波と交代できた。それにアスカにとって、綾波との交代は 心から自分を褒めてあげられる行いだった、だからミサトに自分から電話した

どうしたのアスカ、本番前に

なんだかミサトと二人で話がしたくってさ

そう、改めて御礼を言うわ。ありがとう

礼はいいわ。もともと皆で食事って苦手だし、他人と合わせて楽しいフリをするのも疲れるし、他人の幸せを見るのがイヤだったし、私はエヴァに乗れれば良かったんだし、もともと一人が好きなんだし、馴れ合いの友達もいらなかったし、私をちゃんと見てくれる人は初めからいないし、トップスコアさえあればネルフで一人でも食べていけるしね。でも最近、他人といるのもいいなって思うこともあったんだ。私には似合わないけど

そんなことないわよ。アスカは優しいから

こんな話、ミサトが初めて。なんだか楽になったわ。誰かと話すって心地いいのね、知らなかった

この世界は貴女の知らない面白いことで満ち満ちているわよ、楽しみなさい

うんそうね、ありがとう

彼女は人に褒めてもらいたかった訳ではなかった。自分で自分を褒めてあげられるような理想的な自分が、人のためになにかを行い、人から認めてもらえる、必要としてもらえる、そして何より"人を必要とさせてもらえる"、それが彼女の本当の目指したい姿だったのかもしれない。そしてここで選ばれるミサトさんがすごい。アスカにとって先ず認めてもらいたいと思う人は、ライバルと取れる綾波や 気になるシンジでもなくミサトさんだった。誰かに何かを受け止めて貰いたいと思った時、その相手に選ばれるような人は本当に尊いミサトさんは 何がアスカの救いになるのか分かっていた。彼女を褒めるのではなく、"アスカは優しい"という言葉を選んだ。私には似合わないけど 等と、上記の会話中もずっと素直になれない彼女が、あなたは優しいと言ってもらえた時、ようやく 人と話すのは心地良いと素直な気持ちを言葉にした。ずっと孤独で、ずっと諦めていたアスカが、誰かのたった一言で未来に希望を持てた瞬間だった。


ーその後 お決まりの鬱展開ー


アニメ版のヒカリの部屋でのゲームのシーンも、1人ではなく、2人で一緒にゲームを楽しめていたりしたら、アスカの未来は違ったのかもしれない。きっとほんの少しの人との関わりで、思うより簡単に未来は変わる。孤独のどん底にいる時、唯一本当の意味でその人を救えるのは夢中になれる趣味でも 過酷な仕事でもなく、他者と繋がり合えたと感じられる瞬間なのかもしれない。

シンで、私が先に大人になっちゃったとアスカは言ったけど、私はアスカだけは変わらないように思えた。アスカだけは 大人になってもそう簡単に孤独からは抜け出せないように思えた。例えケンケンがいたとしても。

村の人たちとの農作業や、優しい人たちとの関わりはアスカにも必要だった。Qからシンにかけて目立ったのは、アスカを嫌いになったと言うファンの存在だ。だけどきっと彼女も分かっていた。今の自分は村に馴染めないだろうと。アスカを扱うのは難しい、扱うのが難しいと思われるのはつらい、だから人から離れる。彼女は恐らく、せめて存在意義は見失ってしまわないよう、プロフェッショナルであり続け 過酷な道を自分から進んで行った。扱うのが難しい人の孤独。アスカを見ているとそんなことを思う。アスカは世界を守る事で 人から必要とされていると自覚したかったんだろう。

その後の彼女が救われるには 一体どうしたらいいのかを考える。ミサトさんのように彼女に言葉をかけるのは 他の人にはきっととても難しい、それにミサトさんはもういない。だから彼女が1番ステキだった瞬間について考えた。彼女は作り笑いも 自分への失笑も出来てしまう子だから、笑顔はどこか寂しい。私が彼女の表情で最もステキだと思うのは 彼女が照れている時。その他の感情は1人きりでも割と湧いてくるけど、照れるのは人がいないと中々出来ない。だからか 孤独なエヴァのキャラクター達は特に、みんな照れている顔が特別ステキに見える。呪縛から 裸を見られても恥ずかしくなくなってしまうぐらい心を閉ざし 人間離れしてしまった彼女は、シンの最後、ピチピチビリビリエチチプラグスーツ姿でシンジに告白され 間違いなく頬を赤らめていた。劇場で絶叫しながら立ち上がって拍手しそうになったシーン。呪縛が解け 人間に戻っていた

人間らしく照れちゃうような出来事がたくさんあれば、彼女はまだこれからも変わっていける気がする。そんで、アスカの料理が食べたいな♡ なんて誰かに言われたら、いつかきっと彼女はおずおずと台所に立とうとしてくれる筈だ。彼女は誰よりも人に期待されたい、期待に応えたいと頑張れる人だから。

だから何が言いたいか、みんなもどんどん素直に照れてみよう。エヘヘ…//// (ポリポリ) みたいな。きっとその時あなたはとてもステキに見える。そしてステキと感じたことは どんどん素直に照れながら相手に伝えてみよう。それがいつか孤独な人を救うことに繋がるかもしれない。私はそんなことを考えさせて、幸せを願わずにいられないアスカが好き。もしも彼女が目の前にいたら、目が綺麗だね って伝えてみたい。

 

 

 

これは私のアスカ解釈なんですけど、庵野監督、豚は妄想やめてもう現実見ろって言ってたよね