大丈夫かい?

 

摩訶不思議な存在、父とのメール

僕「地震、大丈夫かい?」

父「結構揺れたね、大丈夫かい?」

僕「気をつけてね」

父「ありがと〜」

結局、相手がちゃんと大丈夫だったのかは誰も確認出来ていない文章、DNAを感じる

小学生の頃は父さんと2人で寝てた。まだ一緒に住んでいたころのこと

夜、父さんはいつも勉強していた。目を開けると机に向かう姿が見える、オレンジ色の灯り今も好き

書き物をするペンの音、ページを捲る音、電卓を叩く音を聞きながら目を閉じるのがなんだか好きだった。当時から父さんは忙しく、会話は殆どなかったけど、その音や光が記憶に残っている

なぜ大人になっても勉強しているのかわからなかった、大変そうで、もうやめたらいいのにとずっとおもってた

ずっと机に座っているから、足がつらいのかトゲトゲしたツボ推しボールを踏んでた

まだあるのかなあのボール

そんな思い出

私は今も誰かが作業をする音を聞きながら眠るのが好き

最も恐ろしい思い出は、JR飯田橋駅のホームでぼうっと立っているとき、ふと線路の向こう側 道路の方へ目を向けると、フェンス越しに父さんが真顔でずっと手を振っていたこと。本当に絶叫した

表情が変わらないから なにを考えているのか全然わからなかったし、同じ靴を何度も買うなんて なんてつまらない人間なんだと思っていたけど、だんだん自分の中の父さんの部分が浮き彫りになってきている。歳を重ねてそう感じる。