時代が迷いと煩悩に

東京も 大阪も 京都も 千葉も ふと歩いていると そこにいる自分がまったくしっくりこなくて それに気づいた途端にすべてがよそよそしく 自分が地面や空気にまったくなじめていない異物のような そこにいることをとても怖く思うような 今すぐ帰りたいけれど一…

夕子へ

夕子へ 貴女が居なくなってから 3年が経ちました 私は未だ何処か 貴女の面影をこの古い街に探してしまいます この世に貴女は居ない だけど 貴女は何処にでも在る 地面に 空気に 草木に 山に 水に 街に 心に沁み込んだ貴女のたましいを感じる 姿無くとも 何時…

労働霊魂

伏見で酒を飲むと17種類が一気に出てくるそれを3セットも飲むともう意識も自我も無く初詣に来た筈のわたくしはいつのまに極寒の山道に命こと切れ105年が経ちたましいは地面に染み込み山の一部と溶けたそうしてふわふわの尻尾を持つ一匹の頼り無い白狐と成っ…

望郷

わたくしの目には曇天の空しか映らない ワタツキバシ と読みます すごく寒そうだし 実際すごく寒い キンタマのでかすぎるたぬきは尊敬できる ここは寺 ばーちゃんちみたい 難が転ずる 両儀式 からの境界 二年参りで目尻が上がった オーブが、、 移動しており…

オブリビエイト

東京の景色を見て あゝ 此処が有楽町か 有楽町とは些か 都会的な街なんだろうな と想像し すぐに 実家帰った時にしょっちゅう乗り換えで使ってんじゃないかふざけんなこんちくしょう(意味は無い) と思い 労働を終え帰ろうとしたところでいつも使っているのは…

夢日記 二

上野に着いた 崖の上から流れる滝の飛沫は細かい霧になり 周囲を湿らせた 今日 ここへ現れることはわかっていた 先回りしていた僕は 人混みの中にその姿を見つけた 彼女の足取りは どこへ向かうべきなのか直感でわかっているかのようだった 僕は彼女の肩の辺…

夢日記

‪夢の中の上野という場所は 崖の途中にあり 全体がひとつの荘厳な神社だった 最上部から滝が‬流れ‪ 急勾配な崖を超えると △△区 (地図上は豊島区と板橋区の間) だった 崖の上には せ 駅 という名前の駅があって 暗闇の中で単線電車が動いていた たくさんの人…

タワー

話の流れから ふと気になって「京都タワーってどこにあるの?」と LINEを送ったら「あの時思いっきりあったやん」と言われた京都タワーって京都駅から見えるらしいね子どもの頃から何回か行ってるけど 私は1度も見たことが無い途端にミステリーの予感がして…

無限反復 上京物語

‪東京 阿佐ヶ谷 仲間と酒を飲んだ帰り 小雨が降っていたが 私はたいへんに良い気分だった「迷子犬と雨のビート」という名曲を大音量で聞いてみることにした 駅までスキップしたい気分だ そう思ったときには既にスキップしていた そして路肩の石につまづいた …

紫色の石

今日は雨だった 最寄り駅のロータリーで傘を広げる 帰るのが遅くなった 体は鉛のように重く怠い しとしとと降る雨の中 ぼんやりと夜道を歩く 画塾から生徒たちが溢れていた 授業が終わった頃か ウォータープルーフの化粧品は高価だ けちけちして普段の化粧で…